トランスフォーマー全シリーズの繋がりとは
1984年の誕生から40年以上続くトランスフォーマーの世界は、実は複雑な構造を持っています。多くのファンが最初に抱く疑問が「各シリーズはどう繋がっているの?」という点でしょう。
トランスフォーマーシリーズは基本的に独立した世界観(コンティニュイティ)を持ち、それぞれが別の「ユニバース」として展開されています。
個人的な経験では、初めてこの事実を知ったとき、混乱しながらも納得した記憶があります。
この記事で学べること
- 実写映画シリーズは「ベイバース」と「リブート」の2つの独立した世界観で構成されている
- G1からビーストウォーズまで、日本のアニメシリーズには明確な時系列の繋がりが存在する
- ハズブロ公式のマルチバース概念により、各シリーズが並行世界として整理されている
- IDWコミックスやマーベルコミックは映像作品とは独立した連続性を持つ
- 2024年公開「トランスフォーマーONE」は完全独立した前日譚として機能する
しかし、これは欠点ではなく、むしろトランスフォーマーの魅力の一つなのです。
実写映画シリーズの世界観構造
2007年から続く実写映画シリーズは、大きく2つの世界観に分かれています。ベイバース(2007-2017年)
マイケル・ベイ監督が手掛けた5作品は、同一の連続性を持つ世界観です。- トランスフォーマー(2007年)
- トランスフォーマー/リベンジ(2009年)
- トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン(2011年)
- トランスフォーマー/ロストエイジ(2014年)
- トランスフォーマー/最後の騎士王(2017年)
個人的には、第3作「ダークサイド・ムーン」がシリーズの中でも特に壮大なスケール感を持っていたと感じています。
ベイバース5作品の累計興行収入は世界で約48億ドルに達し、映画シリーズとして13番目の記録を持っています。
リブート世界観(2018年-現在)
2018年以降、新しい世界観として展開されているのがリブートシリーズです。- バンブルビー(2018年/劇中1987年)
- トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年/劇中1994年)
- トランスフォーマー/ONE(2024年/サイバトロン星)
トラヴィス・ナイト監督による「バンブルビー」は、批評家から「トランスフォーマーシリーズ最高傑作」との評価を獲得しています。
実際に試してわかったこと
実写映画シリーズを時系列順ではなく公開順に見る方が、製作側の意図や世界観の変化を理解しやすいです。
時系列順で見ると設定の矛盾が気になってしまうことがあります。
アニメシリーズの時系列と繋がり
日本で展開されたアニメシリーズは、実写映画よりも明確な連続性を持っています。G1シリーズ(1985-1990年)
日本のトランスフォーマーの原点となるシリーズです。- 戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー(1985年/全63話)
- 戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010(1986年/全30話)
- トランスフォーマー ザ★ヘッドマスターズ(1987年/全35話)
- 戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー 超神マスターフォース(1988年/全42話)
- 戦え!超ロボット生命体トランスフォーマーV(ビクトリー)(1989年/全38話)
- トランスフォーマーZ(ゾーン)(1990年/OVA全1話)
初代から2010までは北米版のストーリーを基に日本で放送されましたが、ヘッドマスターズ以降は日本独自の展開となりました。
個人的には、劇場版「ザ・ムービー」でのコンボイの死と復活が、シリーズに大きな転換点をもたらしたと感じています。
ビーストウォーズシリーズ(1997-1999年)
動物に変形する新世代トランスフォーマーを描いたシリーズです。- ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー(1997年/全26話)
- ビーストウォーズメタルス 超生命体トランスフォーマー(1999年/全26話)
- 超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズリターンズ(2005年/全26話)
しかし、日本独自制作の「ビーストウォーズII」と「ビーストウォーズネオ」は、この連続性とは別の世界観として展開されました。
日本版ビーストウォーズは声優陣による独特のアドリブコメディ演出で、原語版とは全く異なる雰囲気の作品として人気を博しました。
2023年には「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー アゲイン」として、令和版にリメイクされて放送されています。
新世代シリーズ(2000年代-現在)
2000年代以降、様々な新シリーズが展開されています。- トランスフォーマー カーロボット(2000年/全39話)
- 超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説(2003年/全52話)
- トランスフォーマー スーパーリンク(2004年/全52話)
- トランスフォーマー ギャラクシーフォース(2005年/全52話)
- トランスフォーマー アニメイテッド(2010年/全39話)
- 超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム(2012年/全52話)
日本版では各シリーズが独立していますが、海外版では三部作として明確に連続性を持って制作されました。
マルチバース(多元宇宙)概念の理解
トランスフォーマーの世界観を理解する上で重要なのが「マルチバース」という概念です。ハズブロ公式は、各シリーズを並行世界(パラレルワールド)として位置づけています。
つまり、全てのトランスフォーマー作品は同じ多元宇宙内の異なる次元に存在するという設定なのです。
主要なユニバース分類
トランスフォーマーのマルチバースは、複数のユニバースに分類されています。- プライマックス(Primax): G1シリーズの世界線
- アレックス(Aurex): ユニクロン三部作の世界線
- タイラン(Tyran): ビーストウォーズの世界線
- ビジョナー(Viron): アニメイテッドの世界線
マルチバース概念により、ファンは好きなシリーズを自由に選んで楽しむことができ、全てが「正史」として認められています。
コミック作品の独自世界観
映像作品とは別に、コミックも独自の連続性を持って展開されています。IDWコミックス(2005年-2022年)
アメリカのIDWパブリッシングが発行しているコミックシリーズです。- インフィルトレーション(2005年)
- メガトロン・オリジン(2007年)
- オール・ヘイル・メガトロン(2008年)
- モア・ザン・ミーツ・ジ・アイ(2012年/全57号)
- ロボッツ・イン・ディスガイズ(2012年/全57号)
IDWコミックスは独自のキャラクター(ドリフト、ウインドブレードなど)を生み出し、後に玩具やアニメにも逆輸入される影響力を持っています。
実際に読んでみると、映像作品よりも深い設定やキャラクター描写が魅力的です。
マーベルコミックス(1984年-1991年)
トランスフォーマー誕生初期に展開されたコミックシリーズです。マーベルの編集者ボブ・バディアンスキーが設定を担当し、初期のキャラクター設定の基礎を築きました。
現在でもハズブロパルス限定で「コミックエディション」として、マーベル版デザインの玩具が発売されています。
最新作トランスフォーマーONEの位置づけ
2024年9月に公開された「トランスフォーマー/ONE」は特別な位置づけの作品です。完全独立した前日譚
この作品は実写映画やアニメシリーズとは独立した世界観として制作されています。オプティマス・プライム(オライオンパックス)とメガトロン(D-16)がかつて親友だった時代を描く、シリーズ全体の起源物語として機能します。
興味深いのは、既存のどのシリーズとも繋がっていないにもかかわらず、全シリーズのファンが楽しめる普遍的なストーリーになっている点です。
経験から学んだこと
トランスフォーマーONEは予備知識なしでも十分楽しめる作品でした。
むしろ、初心者にこそおすすめしたいシリーズ入門作として機能しています。
プロデューサーのボナヴェンチュラ氏は、本作の続編3部作を予定していることも明らかにしています。
日本独自展開とグローバル版の違い
トランスフォーマーを語る上で欠かせないのが、日本とグローバルでの展開の違いです。日本オリジナルシリーズ
日本では独自のアニメシリーズが複数制作されてきました。- ヘッドマスターズ以降のG1後期シリーズ(1987-1990年)
- ビーストウォーズII・ネオ(1998-1999年)
- カーロボット(2000年)
日本オリジナルシリーズの特徴は、複雑な合体ギミックと熱い展開が評価され、後のシリーズの方向性を決定づけたことです。
日本版と海外版の設定差
同じタイトルでも、日本版と海外版で設定が異なるケースがあります。例えば、ギャラクシーフォースは海外版「サイバトロン」ではユニクロン三部作の完結編とされていますが、日本版では独立した世界観です。
個人的には、この柔軟性がトランスフォーマーの魅力を広げていると感じています。
各シリーズを楽しむための視聴ガイド
複雑なトランスフォーマーの世界を楽しむための、実践的なアドバイスをお伝えします。初心者におすすめの入り方
初めてトランスフォーマーに触れる方には、以下のルートをおすすめします。- トランスフォーマー/ONE(2024年) – 予備知識不要の入門作
- 実写映画第1作(2007年) – 現代的なビジュアルで楽しめる
- 好みに応じてG1アニメまたはビーストウォーズへ
まずは興味のある作品から入り、徐々に世界を広げていくのが良いでしょう。
実写映画シリーズの視聴順序
実写映画を見る場合、公開順での視聴を強くおすすめします。時系列順ではなく公開順にすることで、製作側の意図や技術の進化を感じられます。
特にベイバース5作品は公開順に見ることで、キャラクターの成長や設定の変化を自然に理解できます。
アニメシリーズの選び方
アニメシリーズは好みに応じて選ぶことができます。- 王道を楽しみたい: G1初代シリーズから
- コメディ要素が好き: ビーストウォーズ日本版
- 現代的な作画: プライムやアニメイテッド
- 複雑な物語: ユニクロン三部作
よくある質問と回答
Q1: トランスフォーマーの全シリーズは繋がっていますか?
基本的に各シリーズは独立しています。ただし、マルチバース(多元宇宙)という概念で、全てのシリーズが並行世界として存在するという公式設定があります。
G1アニメシリーズのように明確な時系列で繋がっているシリーズもありますが、実写映画とアニメは別の世界観です。
Q2: 実写映画「バンブルビー」は既存シリーズの前日譚ですか?
「バンブルビー」は当初スピンオフとして製作されましたが、後にリブート扱いとなりました。マイケル・ベイ監督のベイバース(2007-2017年)とは独立した新しい世界観の起点となっています。
時系列的には1987年が舞台ですが、ベイバースの前日譚ではありません。
Q3: ビーストウォーズはG1の続編ですか?
原語版(北米版)ではG1の数百年後という設定になっています。しかし、日本独自制作の「ビーストウォーズII」と「ビーストウォーズネオ」は別の世界観として展開されました。
日本で放送された「ビーストウォーズ」本編とその続編「メタルス」「リターンズ」はG1との繋がりを持っています。
Q4: 「トランスフォーマーONE」を見るには予備知識が必要ですか?
予備知識は全く必要ありません。この作品は完全独立した前日譚として制作されており、初めてトランスフォーマーに触れる方でも十分楽しめます。
むしろ、シリーズ入門作として最適な作品です。
Q5: IDWコミックスと映像作品は繋がっていますか?
IDWコミックスは映像作品とは独立した世界観を持っています。ただし、IDWで生まれたオリジナルキャラクター(ドリフトやウインドブレードなど)が後に玩具やアニメに逆輸入される例はあります。
コミックは独自の深い設定と長期連載を持つ、別の楽しみ方ができる媒体です。
まとめ:多様性こそトランスフォーマーの魅力
トランスフォーマー全シリーズの繋がりについて、包括的に解説してきました。最も重要なポイントは、各シリーズが独立した世界観を持ちながら、マルチバースという概念で緩やかに繋がっているという構造です。
実写映画はベイバースとリブートの2つの世界線に分かれ、アニメはG1から続く時系列シリーズと独立した新世代シリーズが存在します。
コミック作品も独自の連続性を持ち、それぞれが豊かな物語を展開しています。
個人的には、この複雑さこそがトランスフォーマーの魅力だと感じています。
好きなシリーズから入り、徐々に世界を広げていくことで、40年以上続くこのフランチャイズの奥深さを実感できるでしょう。
2024年公開の「トランスフォーマーONE」が示すように、今後も新しい世界観が生まれ続け、多様性はさらに広がっていくと予想されます。
全てのシリーズを把握する必要はありません。
まずは興味のある作品から始めて、トランスフォーマーの無限の可能性を楽しんでください。


